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| エネルギー評価尺度をエクセルギーに! 3C(Change・Challenge・Create)と3E(Enthalpy・Entropy・Exergy)の融合 |
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SOFC(Solid Oxide Fuel Cell: 固体酸化物型燃料電池)解説燃料から電力を取り出す方法の内、燃料電池は他の内燃機関や外燃機関と異なり、燃料の持つギブスの自由エネルギーを酸化剤により電気エネルギーに変換できるシステムであるため、エクセルギー解析での燃焼による損失が少なく、そのため小規模でも高い発電効率が期待できる。 インターネット上には、「原理から考える燃料電池」(横浜国立大学大学院工学研究院 太田健一郎 教授、GS Yuasa Technical Report,2005年6月第2巻第1号)があり、燃料電池の原理と特長や燃料電池の種類に関する総説がある。 また、当講座のリンク集のエクセルギー関連にある広島大学地球資源論研究室の エネルギー資源<燃料電池とは> には、燃料電池に関連するサイトのリンクとその抜粋が掲載されている。 次世代型燃料電池と期待される家庭用固体酸化物形燃料電池(SOFC)コージェネレーションの市場導入に向けた技術開発は、2010年6月に発足した大阪ガス(株)リビング事業部「家庭用コージェネレーションシステム開発部」において現在鋭意進められており、下記の日本経済新聞の記事「家庭用燃料電池、切り札はSOFC」に市場投入のための課題などが記載されている。 ここでは、開発中のSOFCのプロセスを紹介し、そのエネルギー効率をサンキダイアグラムと熱精算図により示す。図1にSOFCコージェネレーションシステムにおける燃料、空気、給水、排気等の流れを示す。 ![]() 図1 SOFCコージェネレーションシステム
ブロアから送り出された空気は、空気予熱器で400℃前後に予熱され、さらに空気過熱器で約620℃まで昇温されてSOFCスタック内で改質された水素やCOとの電気化学反応に用いられる。燃料は、排気の冷却による回収ドレンをボイラで蒸発過熱させた蒸気と混合され、燃料・水蒸気過熱器で昇温されて、改質器に導入される。 改質器内で、改質器の出口温度の平衡に近くなるまで燃料は水蒸気改質され、都市ガス成分のメタン、エタン、プロパン、イソブタンは、一部メタン成分を残して水素、一酸化炭素、二酸化炭素に改質される。改質反応は600℃程度での吸熱反応であるのでSOFCスタックの発熱および燃料電池反応で使い切らなかった残余燃料の燃焼熱で加熱される。改質ガスは空気中の酸素とSOFCスタックにて電気化学反応を起こし、直流電気を発生させる。電気化学反応は、水素だけでなく、COも反応し、またメタンも燃料極上で改質反応が進むため、メタンからも電力を取り出せる。 未反応成分の燃料はスタック内で完全燃焼し、その燃焼熱は水蒸気改質反応の吸熱に用いられる。改質器を出た排ガスは、燃料・水素過熱器、空気過熱器、ボイラ、空気予熱器、給水加熱器を通過する間に約40℃まで冷却され、気水分離器で排ガス中の水分がドレンとして回収される。改質器の温度は、上げすぎると燃料中の炭素が析出するため、投入蒸気流量の制御で適切に管理される。 一方、給水は熱需要に応じて貯湯槽下部に一時貯められるが、給水加熱器出口の給水温度が約70℃となる水量で給水ポンプにより給水加熱器に導入され、昇温された給水は貯湯槽上部に蓄えられる。給湯需要が少ない場合は、貯湯槽下部からの給水温度が上がり、気水分離器で回収されるドレン量が減り水自立が出来なくなるため、給水ポンプ出口にラジエターを設け、給水加熱器に導入する給水温度を40℃以下に抑えている。 図2にこのシステムのエネルギー精算図をエクセルギー基準とエンタルピー基準で示す。
図2 SOFCのエネルギー精算図
計算モデル燃料の改質に必要な水蒸気量はS/C比より求めた。
{S \mathord{\left/
{\vphantom {S C}} \right.
\kern-\nulldelimiterspace} C} = \frac{{F_{{\rm H}_{\rm 2} {\rm O}} }}{{F_{{\rm CH4}} + 2F_{{\rm C2H6}} + 3F_{{\rm C3H8}} + 4F_{{\rm C4H10}} }}
\ \ \ \ \ \ (1)
ここで,F はモル流量[kgmole/h]を表す。 改質器での改質後の組成は改質反応式とシフト反応式から任意の改質温度に対して平衡計算することにより求めた。
{\rm C}_{\rm n} {\rm H}_{{\rm 2}\left( {{\rm n + 1}} \right)} {\rm + n}\,{\rm H}_{\rm 2} {\rm O = n}\,{\rm CO + }\left( {{\rm 2n + 1}} \right){\rm H}_{\rm 2}
\ \ \ \ \ \ {\rm (R1)}
{\rm CO + H}_{\rm 2} {\rm O = CO}_{\rm 2} {\rm + H}_{\rm 2} \ \ \ \ \ \ {\rm (R2)}
なお,計算を簡略化するため,メタン以外の燃料成分を改質反応式により強制的に改質させた後のガスに対して,メタンの改質反応とシフト反応から改質後の組成を平衡計算した。 SOFCのスタックの電極では水素と一酸化炭素から発電反応が生じる。
{\rm H_2} + \frac{1}{2}{\rm O_2} \to {\rm H_2 O} \ \ \ \ \ \ {\rm (R3)}
{\rm CO} + \frac{1}{2}{\rm O_2} \to {\rm CO_2} \ \ \ \ \ \ {\rm (R4)}
さらに,SOFCでは作動温度が高温のため,未改質のメタンがセルスタック内にてすべて改質される。これを再現するため,改質器で未反応のメタンはセルスタック内で(R1)の改質反応によりすべて反応させた後,上述の発電反応を計算した。 発電反応式の反応割合は燃料利用率Ufによって決定した。
U_{\rm f} = \frac{{F_{{\rm H2TH}} }}{{F_{{\rm H2}} }} = \frac{{F_{{\rm COTH}} }}{{F_{{\rm CO}} }}
\ \ \ \ \ \ {\rm (4)}
ここで,FH2THとFCOTHは水素と一酸化窒素の消費モル流量[kgmole/h]を表す。 セルスタックの発電端効率ηACは燃料をメタン単体と仮定した次式で算出した。
\eta _{{\rm AC}} = \eta _{{\rm DC}} \times \eta _{{\rm inv}} = \frac{{\Delta G_{{\rm H2}} \times 4}}{{\Delta H_{{\rm CH4}} }} \times \eta _{{\rm ref}} \times U_{\rm f} \times \frac{V}{{V_0 }} \times \eta _{{\rm inv}}
\ \ \ \ \ \ {\rm (5)}
ここで,ηDCはセルスタックの発電効率,ΔGH2はセルスタック作動温度の発電反応における水素の自由エネルギー[kcal/kgmole],ΔHCH4は供給温度におけるメタンの生成熱(高位発熱量基準)[kcal/kgmole],ηrefは燃料の改質効率,V0は理論電圧[V],Vは運転電圧[V],ηinvはインバータ効率を示す。理論電圧は次式で定義できる。
V_0 = \frac{{ - \Delta G_{{\rm H2}} }}{{\left( {4.60984 \times 10^4 } \right)}}
\ \ \ \ \ \ {\rm (6)}
}
SOFCの作動温度を1000CとするとV0は0.92Vとなる。 エクセルギーは化学エクセルギーEcと物理エクセルギーEpの和として定義した。
E = E_{\rm c} + E_{\rm p} = E_{\rm c} + \left( {H - H_0 } \right) - T_0 \left( {S - S_0 } \right)
\ \ \ \ \ \ {\rm (7)}
環境圧力と環境温度は大気圧と外気温度(25C)とした。化学エクセルギーは燃料に関する化合物の標準エクセルギーの和として次式で評価した。 E_{\rm c} = \sum\limits_i {\left( {E_i^\circ} \times F_i \right)}
\ \ \ \ \ \ {\rm (8)}
ここで,E °は標準エクセルギー[kcal/mole],添え字iは表1に示す化合物を表す。
計算条件表2にシミュレーションに使用した係数を示す。ボイラ通過後の水蒸気温度,空気予熱器通過後の空気温度は表に示す温度に固定した。排ガスから水蒸気改質に利用する水を回収するため,排ガス温度は40Cとした。
表3に設定変更が可能な入力項目を示す。
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参考文献
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